october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

産後五ヶ月半

すっかり春めいてきた。お散歩コースの公園では桜の蕾みがすくっと膨らんでいて、週末になると人出は冬の二倍くらいに。去年の今頃、まだ膨らまないお腹で不安な気持ちで歩いていた道を、親子三人でお散歩している。一年はあっという間で、不思議な気持ち。そうしたら、妹のように思っていた従妹が妊娠したと報告があった。予定日は10月。去年の私と同じである。今日はあいにくの雨だったけれど、桜の開花宣言が出たそうだ。ずっと東京に住んでいるけど、靖国神社の桜は見に行ったことがない。

ここ数日、産後塵のように積もっていた肩こりが爆発して大変なことになっている。肩は激痛、手足は痺れて、頭痛も出てきて「これはもしや肩こりじゃなくて、脳に何か起きているのでは?」と真剣に悩んでしまったほどだ。私はすぐに「これは何か重大な病気なのでは!?」と思ってクヨクヨしてしまうタイプで、産後もすでに腹痛からの卵巣がんの心配や、乳のしこりからの乳がんの心配を一通りしたのだが(どっちも問題なかった)、とにかく昔からこれが酷かったので、母からは「子どもが生まれたら子どものことが心配で自分のことなんかどうでもよくなるよ、その不安発作みたいな心配性も形を潜めるよ」と言われていた。しかし今は今で「私が今死んだら娘はどうなってしまうのだ……娘のお世話をもっとしたかった……」と悲しい気持ちになってやはりクヨクヨするので、これはもうダメなのではないか!?治らないのではないか!?という、虚しい気持ち。娘のことももちろんすぐに心配になるのだけど、そんな私の心配性を吹き飛ばしてくれるかのように娘は健康一直線で育っているので、今の所気持ちを保って生きている。でもやっぱり心配なので子どもの病気百科のような本はかなり読んでいる。知識はね、あっても無駄にはならないからね。うん。

話が逸れたが、肩こり。辛い。何せ娘が重い。8.3キロくらいある。それを未だに授乳で一日6、7回左右入れ替えながら抱えているし(おっぱいが小さくて添い乳ができないんです)、抱っこもしょっちゅうしているし、お風呂はあまりゆっくり入れないし(といっても半分くらいは夫が入れてくれるので入れている方ではあるのだが)、寝不足もあるし、元々肩が凝りやすいところにあれこれ重なりバキバキである。ラジオ体操を毎日続けている間はマシになったりするのだが、やっぱり根本解決にはなっていなくて、週末くらいから肩の重みで世界が鈍色にくすんでいる。春なのに!!春は好きだが、季節の変わり目は、自律神経弱いタイプには辛い。

あまりにも辛くて、その上心配性が暴走して、母に脳外科に連れてってほしいと言ったら、その代わりに整体に連れて行かれた。そして脳天に鍼を打たれて、全身を揉み解されバキバキゴキゴキしたら、少しスッキリした。肩の重さはあるが、頭痛は消えた。とりあえずしばらく通うことになった。メンテナンスは大事だ。もう娘の抱っこも怖くない。

その娘は今日四回目の予防接種で、BCGをちくちくっとされた。顔を真っ赤にしておぎゃんおぎゃんと泣いていたので「君は世界で一番偉い赤ちゃんだ」「ノーベル赤ちゃん賞だ」と誉め称えていたら、ふてくされて乾かしている間に寝てしまった。その後帰宅してからもずっと寝ていて、授乳の時間も超えて寝ていたので、私はドーナツとコーヒーでゆっくり休憩ができたのだった。本当に君は偉い赤ちゃんだ!目を覚ましたらご機嫌だったので、誉め称え作戦が効いたのかもしれないな。

 

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春だ〜

 

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ベビーカーお散歩 feat. 公園スタバ最高

 

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キリンのソフィーがお気に入りです

産後四ヶ月半

今通っている産後ケアのクラス(赤ちゃんと一緒に参加)では、自己紹介の時に赤ちゃんの月齢ではなく、自分が産後何か月かを言ってくださいと言われる。というわけで、産後四ヶ月と半である。中の人、改め、娘はすくすくぷくぷくと順調に育っており、私は二ヶ月目からは完母になったにも関わらず体重が妊娠前+4キロから減らない。脂肪分が多い食事はおっぱいが詰まるからNGという説を、そんなものは眉唾であるとはね除け唐揚げもケーキもチョコレートも自由に食べ続けた結果、確かに今のところおっぱいは詰まっていないが体重も減らないのである。母乳マジックにはこんな落とし穴があったとは、してやられた気分だ。

パソコンを開き落ち着いて文章を打つ時間が減ってしまい、ブログを書くことができなかった。たまにパソコンを開く余裕があってもベルメゾンでベビー服を買うか、内祝いを購入するので精一杯。携帯で事足りるTwitterばかりしていてそれで満足してしまっているのもあるかもしれない。しかしあとで読み返すにはブログの方が圧倒的に良いから、たまには書きたい。と、思っていたらいつのまにか産後四か月半になっていたというわけだ。

赤子との生活について。あくまで私の場合は、だけど、当初思っていたよりは何とかやれている。産後すぐのころはずっと家に籠っていて何となく鬱々としていたが、今はできるだけやりたいことはするようにしていて、それが楽しい。幸いなことにお散歩すると娘が割と機嫌よく居てくれるので、エルゴで担いでせっせと電車に乗って出かけている。駅ビルにもスタバにも本屋にもコンビニにも行く。二人でショッピング、二人でランチ、二人でお散歩、できることを少しずつ増やして行くのは楽しいし、娘もきょろきょろと色んな世界を見て、知ってもらえたら嬉しい。

親か夫に娘を見てもらって、ちょっと一人で外出することもしている。授乳の合間に行くことがほとんどなので気分的には素潜りしてる感じだけど、ちょっと一人でお茶したり、服を買ったり、友だちとアフタヌーンティーに行ったりした。一度だけライブにも行けたし、三月には観劇も行く。外食が頻繁にできなくなったので、色んな友だちが遊びにきてくれるのも嬉しい。ピザを取ったり、ホットプレートで焼き肉をしたり、パンケーキパーティーや、チーズフォンデュもした。友だちに娘を抱っこしてもらう。色んな人に抱っこしてもらって、幸せだなぁと思う。

ただ、当たり前だけど、産前の自由が100だったら、今の自由は3くらい。美容院行くにも調整がいる。映画館には行けない。ディズニーにもあと数年は厳しいだろう。USJのハリポタは産前に一回行っておきたかった。海外旅行もしばらくは無理だ。何より、週末ごとにパソコン持ってファミレスに籠ってひたすら文章を書くことに没頭するという、人生で最も愛している趣味の時間は、今の所風前の灯である。でもその代わりにかけがえの無い娘という存在があるから大丈夫……とかは、今はまだ言うつもりは無い。娘はかけがえの無い存在であるのは間違いないし、赤ちゃんとの生活は新鮮でおもしろく楽しいことも多いので気に入っているけれど、それはそれ、これはこれ。機会を虎視眈々と狙いながら、今の私にできることと言えば、ひたすらフリック入力のスピードと精度を上げることである。文章が書きたい。とりあえず、こうしてブログを書いてみた。

妊娠中、うごうご動いていた保活は何とか実を結び、四月から仕事に復帰予定である。ますます時間は無くなるけど、通勤時間と昼休みは一人の時間が確保できるな……と、静かに思っている私であった。

 

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四ヶ月半経って、首が座りました。

出産時の記録(無痛分娩)

早いもので出産からもう半月経った。今は実家で育児のみの日々を送っているが、物理的な余裕のなさより精神的な余裕のなさにより、パソコンをろくに開くこともできずにいた。とはいえ、やっとちょっとだけ慣れてきた気がするので、忘れないうちに出産について時系列を追ってレポを書きたいと思う。ちなみに以前に書いたように、無痛分娩だった。

tpb.hatenablog.com

10月6日(木)は夏のように暑い日だった。隣町のファミレスで母とランチをする約束をしており、散歩がてら20分くらい歩いて行ったのだが、日差しが強過ぎて倒れるかと思ったくらいだった。昼ご飯を食べながら、母が私を産んだ時は夜寝ている間に破水した、という話をしていた。ランチを食べ終わり母と別れ、私は少し大回りで緑の多い散歩コースを通って家に帰ろうとした。しかし想定していたよりもコースが長くて、途中バスに乗ったりした。バス停から帰る途中、スーパーによってジャガイモと豚コマ肉を買った。夕飯に肉じゃがを作ろうと思っていた。

15:00
帰宅。歩きすぎて疲れたので、ソファでボンヤリしているうちにそのまま寝てしまった。

16:20
目覚める。何となくおりものが多く出たのかな?と感じながらトイレに行ったら、破水対策で付けていた生理ナプキンが血に染まっていた。ギャー!これがおしるしか!と、バクバクする心臓を押さえ、トイレを出て病院に電話。この時点で何となく羊水のようなものが出ている感覚を覚える。おしるしで破水かもしれないことを告げると、すぐに来てくださいとのこと。病院から「胎動はありますか?」と聞かれて、ハッとする。そう言えば、昼寝から起きてから胎動感じないかも!?家を出る時に再び電話してくださいと言われ、電話を切る。母に連絡すると仕事開始にギリギリ間に合ったので車で連れてって行ってもらえることになった。(陣痛タクシーも登録はしていた)母を待っている間、ベッドに横になって、中の人は大丈夫なのかと腹を擦っていたら、しゃっくりが始まったので気が抜けた。中の人はのんきであった。夫にLINEで連絡を入れた。陣痛はまだ来ていなかった。

17:10
病院に到着。破水だったので、そのまま入院。分娩予備室は個室である。トイレに行って採尿してから着替え、お腹にモニターを付けてから点滴を付ける。中の人の心音がシャーシャー言う音を聞いてちょっとほっとする。中の人の心拍は128〜150の間くらい。子宮口はまだあまり開いていなかった。抗生剤を点滴する。

18:00
無痛分娩の硬膜外麻酔の準備。背中に管を入れられるんだけど、これが割と痛かった。手順は両親学級でビデオを見せられていたし心の準備も出来ていたんだけど、ちょっと怖い。神経が通ってる所に管を通すので、途中左太ももと左足に痛みが走った&しびれてギャッとなった。だけどそれも一瞬で、管を入れてしまえば違和感も特に無かった。テスト麻酔を入れると、下半身が少しボンヤリする。テストなので効いてることがわかったらすぐに終わる。食後、3時間は麻酔を入れることができないので、夕食どうするか聞かれたけど、子宮口は少し柔らかくなっていると言われたので、夕食は一旦見送る。

19:00
夫がきた。でも特にやることが無かった。

21:30
陣痛があまりこないので、一旦ごはんを食べることにした。

22:30
消灯。

10/07 01:15
陣痛が少しずつ来始めるけどまだ不定期。胎動は激しい。腰が痛い。

03:20
陣痛が定期的になる。8分間隔くらい。痛い。眠れない。病院は、子宮口が5cm開くまでは麻酔を使わない方針なので静かに耐える。

04:38
もう無理だ!と思ってナースコールをしたが、まだ子宮口3.5cmと言われて、マジかwwwwwwとなる。5cmまで行けば麻酔入れて貰える、ということだけが希望の光になった。自然分娩の人マジすごい……。

06:15
中の人がどかんと動いた。

07:05
子宮口4cm。

08:40
陣痛がかなり辛くて、夫に腰を擦ってもらったりする。主治医の先生から、破水しているので促進剤を使いましょうと言われる。書類にサインする。

09:00
陣痛促進剤開始。モニターで陣痛の数値が上がって行くたびにひたすら呼吸に集中する。

10:00
子宮口が5cmまで開いたので、麻酔を入れることになった。やった……!!:;(∩´﹏`∩);:しかし麻酔を入れると絶飲食になるので、最後に水を飲んでおく。麻酔が入ると下半身にぼんやりと温かい毛布を掛けられたような感覚になる。痛くない。全然痛くない。陣痛に伴ってお腹が張っていることは何となくわかる。また、膝下の感覚はある。麻酔の量を調整しつつ(多すぎると陣痛が遠のいてしまうのでお産にならないが、少なすぎると痛い)子宮口が全開になるまで待つ。ぼんやりとした時間。あんなに痛かった陣痛だけど、ほとんど感じない。部屋が乾燥しているので喉が渇くのだけが辛い。

14:30
子宮口がもうすぐ全開ですと言われる。私の熱が上がった。これは麻酔のせいなのか、破水のせいなのかわからない。麻酔の量の微調整をする。いきむ練習を何度かする。喉がとても渇いた。

16:30
喉が渇いたのでうがいだけさせてもらう。胎動はまだ激しい。恥骨に向かってぐいぐい押されるような感覚がある中で、肋骨も蹴られてる感じがしたので「こ、こいつ足の力を使って出ようとしてる!?」とビビる。熱が高くて39度を超えてしまい、中の人の心拍が上がってきた。このままだと赤ちゃんがしんどいので、もう産みましょう、と分娩室に移動することになる。

16:50
分娩室に移動。夫は立ち会いの準備。両脚にカバーをかけられる。麻酔が効いてるか確認する。ここでも再びいきむ練習をする。モニターを見ながら、合図をしたらいきんでくださいと言われる。二回深呼吸をしてから、息を止めていきむ。目は開けたまま、できるだけ顔に力を入れないでくださいと言われた。二回くらいいきんだら、股に何か挟まってる感じがわかる。三回いきんだら主治医の先生がきた。いきむのに合わせて、助産師さんにお腹を押されて、それを押し戻すように腹筋に力を入れて、と言われる。これがわりと痛かった。でも陣痛の痛みは無いのでけっこう冷静だった。多分、このあたりで会陰を切られていたんだと思う。先生が来てから、二回息んだ所で「はい、いいですよ」と言われて力を抜いた所でドゥルンと股から何かおっきなものが……お、おっきい!大きいね!?中の人が暴れながら現れた。羊水を飲んでたのか口の中をしゅこしゅこするスポイトで吸われて、先生が体をブルブルと揺らして、ひやひや見てたのは多分賞味1〜2分だと思うけど、その後すごい元気に泣いた。泣いた!やったー!産まれたー!へその緒が切られて、赤ちゃんは新生児の処置する台で再びチューブで吸引されて、すごすごしてたけど、元気なのはわかった。感動だとか、母性が沸くとかそういうことより、「生きてた!!生きて出てきた!!本当に中に入ってたんだ。しかもあんなでかいのが!」という感慨が強くて、嬉しかったけど、ぼんやりしていた。39週0日、3200gを超えていた。おくるみに包んだ赤ちゃんをだっこさせてもらうと、ものすごく温かかった。産まれたばかりなのに目をごしごしと擦っていて、その仕草が3Dエコーで見たのと同じだったので、笑ってしまった。かわいかった。目が二重だったので、私に似た!と思った。

ちなみに私は気付いていなかったんだけど、かなり出血が多かったらしく、夫は先生の手元が真っ赤なのを見て、これは大丈夫なのかとハラハラして感動したり泣いたりするどころじゃなかったらしい。むしろ両親学級で見たお産の流れのビデオのほうが泣けたと言っていた。出血量は後から母子手帳を見たら620mlだった。

産まれた時間は17:10頃。分娩室に移動して、ほぼ20分だった。無痛分娩は遷延分娩になりやすいと本で読んでいたけれど、特にそんなこともなかった。娩出期が短時間で済んだのは、正産期に入ってから産院で習った妊婦体操(特に妊婦腹筋)をしていたのと、あとはいきむ時のイメトレをしていたのがよかったのかも、と個人的には思っている。イメトレは、昔から好きだった内田春菊の「私たちは繁殖している」シリーズの出産シーンでやっていた。

妊娠中は一杯色んなことを心配したけど、とにかく無事で元気で産まれてくれて、ついでに私の体調も(出血が少し多かった以外)特に問題なく、お産が終わって良かった。無痛にしたからか体力の消耗があまり無かったので、産後の回復も早かったのも良かった。無痛にすると後陣痛が痛いという話も聞いたけど、私個人に関しては特にそういうこともなかった。会陰の傷は痛いが、それはみんなそうだと思う。あくまで個人的な意見だけど、体力に自信の無い人、高齢出産の人こそ無痛分娩をおすすめしたい。私も35歳での初産でした。

 

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モニターの「シャーシャー」という赤ちゃんの心音は、産まれた後もその日の夜遅くまで耳に残ってた。

娘が産まれました!

39w0d、予定日のぴったり1週間前に、無事娘を出産した。

38w6dの夕方、散歩から戻りソファで爆睡していたところでどうやらおしるしと前期破水。病院に連絡を取ると「すぐに来てください」と言われ、母の車で病院へ。そのまま入院。陣痛はまだ来ていなかったので抗生剤の点滴と無痛分娩の硬膜外麻酔の準備だけをして、その日は終わった。翌39w0dの明け方3時半頃から陣痛が来始め子宮口も徐々に開き、朝の10時頃から麻酔を追加。夕方に全開になり16時45分頃分娩室へ。そして17時07分に産まれた。妊婦腹筋体操が効いたのか、イメトレしてたのがよかったのか、五回目くらいのいきみでつるんと産まれた。分娩室に入ってからは早かった!初めて娘を見た時の感想は「で、でかっ!」だった。こんな大きい子がお腹の中で暴れていたら、そりゃ胎動も激しい筈だ。そして初日は「わ〜、赤ちゃんだなぁ」と思っていたけど、数日経つと「こ、この子が世界で一番かわいい赤ちゃんであることは間違いない!」と、メロメロ脳内麻薬が分泌され始めたので不思議だなぁと思う。

母子ともに健康で(娘は新生児黄疸で一日延びたものの)無事退院できて本当に良かった。今は実家に帰ってきているが、妊娠中の生活以上に脳味噌がボンヤリした日々を送っている。乳・おむつ・寝る、乳・おむつ・寝るの無限サイクル……!!

出産&無痛分娩についてはまた後日、もう少し詳しく書きたい。

 

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散歩中に破水しなくて良かったなぁ、と後から思った。