今読んでいる本のフレーズで思い出したのだが
小さい頃、打ち上げ花火が大嫌いだった。
普通の手持ち花火は大喜びだったのに、花火大会は憂鬱で仕方がなく
ずっと目をぎゅっと閉じて、両手で耳を塞いでいた。
当時、自分が身体感覚で把握している世界を、超越した事態だったのだろう。
全身に響く音にも、眼前の空を全て埋め尽くすような光にも
得体の知れない恐怖を感じていた。
身体を包む世界がアンコントローラブルな事態に振り回されていると「感じる」ことが、今でも苦手だ。
飛行機が激しく揺れる時、地震で想像以上にマンションが揺れた時
とんでもない暑さの日が何日も何日も記録更新が続く時
今でも、当時と同じように激しい恐怖心に陥ることがある。
そんな時、心を落ち着けるのは「まあでも何がどうなっても最悪、死ぬだけだ」というフレーズ。
そうすると、まあまあ気が楽になる。
結局、私は自分が何が怖いのかよくわからない。
多分、死ぬことが怖いわけでは無い気がしている。