october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

出産時の記録(無痛分娩)

早いもので出産からもう半月経った。今は実家で育児のみの日々を送っているが、物理的な余裕のなさより精神的な余裕のなさにより、パソコンをろくに開くこともできずにいた。とはいえ、やっとちょっとだけ慣れてきた気がするので、忘れないうちに出産について時系列を追ってレポを書きたいと思う。ちなみに以前に書いたように、無痛分娩だった。

tpb.hatenablog.com

10月6日(木)は夏のように暑い日だった。隣町のファミレスで母とランチをする約束をしており、散歩がてら20分くらい歩いて行ったのだが、日差しが強過ぎて倒れるかと思ったくらいだった。昼ご飯を食べながら、母が私を産んだ時は夜寝ている間に破水した、という話をしていた。ランチを食べ終わり母と別れ、私は少し大回りで緑の多い散歩コースを通って家に帰ろうとした。しかし想定していたよりもコースが長くて、途中バスに乗ったりした。バス停から帰る途中、スーパーによってジャガイモと豚コマ肉を買った。夕飯に肉じゃがを作ろうと思っていた。

15:00
帰宅。歩きすぎて疲れたので、ソファでボンヤリしているうちにそのまま寝てしまった。

16:20
目覚める。何となくおりものが多く出たのかな?と感じながらトイレに行ったら、破水対策で付けていた生理ナプキンが血に染まっていた。ギャー!これがおしるしか!と、バクバクする心臓を押さえ、トイレを出て病院に電話。この時点で何となく羊水のようなものが出ている感覚を覚える。おしるしで破水かもしれないことを告げると、すぐに来てくださいとのこと。病院から「胎動はありますか?」と聞かれて、ハッとする。そう言えば、昼寝から起きてから胎動感じないかも!?家を出る時に再び電話してくださいと言われ、電話を切る。母に連絡すると仕事開始にギリギリ間に合ったので車で連れてって行ってもらえることになった。(陣痛タクシーも登録はしていた)母を待っている間、ベッドに横になって、中の人は大丈夫なのかと腹を擦っていたら、しゃっくりが始まったので気が抜けた。中の人はのんきであった。夫にLINEで連絡を入れた。陣痛はまだ来ていなかった。

17:10
病院に到着。破水だったので、そのまま入院。分娩予備室は個室である。トイレに行って採尿してから着替え、お腹にモニターを付けてから点滴を付ける。中の人の心音がシャーシャー言う音を聞いてちょっとほっとする。中の人の心拍は128〜150の間くらい。子宮口はまだあまり開いていなかった。抗生剤を点滴する。

18:00
無痛分娩の硬膜外麻酔の準備。背中に管を入れられるんだけど、これが割と痛かった。手順は両親学級でビデオを見せられていたし心の準備も出来ていたんだけど、ちょっと怖い。神経が通ってる所に管を通すので、途中左太ももと左足に痛みが走った&しびれてギャッとなった。だけどそれも一瞬で、管を入れてしまえば違和感も特に無かった。テスト麻酔を入れると、下半身が少しボンヤリする。テストなので効いてることがわかったらすぐに終わる。食後、3時間は麻酔を入れることができないので、夕食どうするか聞かれたけど、子宮口は少し柔らかくなっていると言われたので、夕食は一旦見送る。

19:00
夫がきた。でも特にやることが無かった。

21:30
陣痛があまりこないので、一旦ごはんを食べることにした。

22:30
消灯。

10/07 01:15
陣痛が少しずつ来始めるけどまだ不定期。胎動は激しい。腰が痛い。

03:20
陣痛が定期的になる。8分間隔くらい。痛い。眠れない。病院は、子宮口が5cm開くまでは麻酔を使わない方針なので静かに耐える。

04:38
もう無理だ!と思ってナースコールをしたが、まだ子宮口3.5cmと言われて、マジかwwwwwwとなる。5cmまで行けば麻酔入れて貰える、ということだけが希望の光になった。自然分娩の人マジすごい……。

06:15
中の人がどかんと動いた。

07:05
子宮口4cm。

08:40
陣痛がかなり辛くて、夫に腰を擦ってもらったりする。主治医の先生から、破水しているので促進剤を使いましょうと言われる。書類にサインする。

09:00
陣痛促進剤開始。モニターで陣痛の数値が上がって行くたびにひたすら呼吸に集中する。

10:00
子宮口が5cmまで開いたので、麻酔を入れることになった。やった……!!:;(∩´﹏`∩);:しかし麻酔を入れると絶飲食になるので、最後に水を飲んでおく。麻酔が入ると下半身にぼんやりと温かい毛布を掛けられたような感覚になる。痛くない。全然痛くない。陣痛に伴ってお腹が張っていることは何となくわかる。また、膝下の感覚はある。麻酔の量を調整しつつ(多すぎると陣痛が遠のいてしまうのでお産にならないが、少なすぎると痛い)子宮口が全開になるまで待つ。ぼんやりとした時間。あんなに痛かった陣痛だけど、ほとんど感じない。部屋が乾燥しているので喉が渇くのだけが辛い。

14:30
子宮口がもうすぐ全開ですと言われる。私の熱が上がった。これは麻酔のせいなのか、破水のせいなのかわからない。麻酔の量の微調整をする。いきむ練習を何度かする。喉がとても渇いた。

16:30
喉が渇いたのでうがいだけさせてもらう。胎動はまだ激しい。恥骨に向かってぐいぐい押されるような感覚がある中で、肋骨も蹴られてる感じがしたので「こ、こいつ足の力を使って出ようとしてる!?」とビビる。熱が高くて39度を超えてしまい、中の人の心拍が上がってきた。このままだと赤ちゃんがしんどいので、もう産みましょう、と分娩室に移動することになる。

16:50
分娩室に移動。夫は立ち会いの準備。両脚にカバーをかけられる。麻酔が効いてるか確認する。ここでも再びいきむ練習をする。モニターを見ながら、合図をしたらいきんでくださいと言われる。二回深呼吸をしてから、息を止めていきむ。目は開けたまま、できるだけ顔に力を入れないでくださいと言われた。二回くらいいきんだら、股に何か挟まってる感じがわかる。三回いきんだら主治医の先生がきた。いきむのに合わせて、助産師さんにお腹を押されて、それを押し戻すように腹筋に力を入れて、と言われる。これがわりと痛かった。でも陣痛の痛みは無いのでけっこう冷静だった。多分、このあたりで会陰を切られていたんだと思う。先生が来てから、二回息んだ所で「はい、いいですよ」と言われて力を抜いた所でドゥルンと股から何かおっきなものが……お、おっきい!大きいね!?中の人が暴れながら現れた。羊水を飲んでたのか口の中をしゅこしゅこするスポイトで吸われて、先生が体をブルブルと揺らして、ひやひや見てたのは多分賞味1〜2分だと思うけど、その後すごい元気に泣いた。泣いた!やったー!産まれたー!へその緒が切られて、赤ちゃんは新生児の処置する台で再びチューブで吸引されて、すごすごしてたけど、元気なのはわかった。感動だとか、母性が沸くとかそういうことより、「生きてた!!生きて出てきた!!本当に中に入ってたんだ。しかもあんなでかいのが!」という感慨が強くて、嬉しかったけど、ぼんやりしていた。39週0日、3200gを超えていた。おくるみに包んだ赤ちゃんをだっこさせてもらうと、ものすごく温かかった。産まれたばかりなのに目をごしごしと擦っていて、その仕草が3Dエコーで見たのと同じだったので、笑ってしまった。かわいかった。目が二重だったので、私に似た!と思った。

ちなみに私は気付いていなかったんだけど、かなり出血が多かったらしく、夫は先生の手元が真っ赤なのを見て、これは大丈夫なのかとハラハラして感動したり泣いたりするどころじゃなかったらしい。むしろ両親学級で見たお産の流れのビデオのほうが泣けたと言っていた。出血量は後から母子手帳を見たら620mlだった。

産まれた時間は17:10頃。分娩室に移動して、ほぼ20分だった。無痛分娩は遷延分娩になりやすいと本で読んでいたけれど、特にそんなこともなかった。娩出期が短時間で済んだのは、正産期に入ってから産院で習った妊婦体操(特に妊婦腹筋)をしていたのと、あとはいきむ時のイメトレをしていたのがよかったのかも、と個人的には思っている。イメトレは、昔から好きだった内田春菊の「私たちは繁殖している」シリーズの出産シーンでやっていた。

妊娠中は一杯色んなことを心配したけど、とにかく無事で元気で産まれてくれて、ついでに私の体調も(出血が少し多かった以外)特に問題なく、お産が終わって良かった。無痛にしたからか体力の消耗があまり無かったので、産後の回復も早かったのも良かった。無痛にすると後陣痛が痛いという話も聞いたけど、私個人に関しては特にそういうこともなかった。会陰の傷は痛いが、それはみんなそうだと思う。あくまで個人的な意見だけど、体力に自信の無い人、高齢出産の人こそ無痛分娩をおすすめしたい。私も35歳での初産でした。

 

f:id:tpb_kotori:20161007085851j:plain

モニターの「シャーシャー」という赤ちゃんの心音は、産まれた後もその日の夜遅くまで耳に残ってた。