october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

1歳8カ月児とグアム旅行⑤

私はとても心配性なので、海外旅行に行く時はいつも旅行保険に入る。今回も最初は夫のカードの付帯の保険でいいかなと思っていたんだけど確認したところ医療費の上限が一人100万までだった。ちょっと待って、そんな100万ぽっちじゃ個人破産の原因ナンバーワンが医療費であるアメリカに行くにはあまりにも心許ない……と、適当に調べて、エイチ・エス保険の海外旅行ファミリープランに加入した。これなら医療費が一人1000万円まで出る。他にもまあそこそこ保証がついて、四泊五日、家族三人で3760円。まだ娘も小さいし何が起こるかわからないから、安心料としては妥当だな、と思って決済ボタンを押すちょっと前に、ふと見ると航空機遅延の特約が一人3万円までで240円と書いてある。まあ240円ならいっかと思ってつけた。計4000円、これで決定ぽちっとした。これが、出発前夜のことだ。

 

www.hs-sonpo.co.jp

 


さて五日目、帰宅日である。 

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夜の間、かなりすごい風だったらしく、ホテルの前は荒れていた。予報を見るとまだ台風は近くに居るらしい。結局最後までお天気すっきりしなかったねーと話しながら、荷物をつめてチェックアウト。娘はいわゆる「安心毛布」であるおだいじタオルケットをしまわれてしまい、ギャン泣きの大暴れしていたが、そのままベビーカーにinして、アウトレットに向かった。飛行機の時間は夕方。ホテルに送迎車が来るのは15時前なので、最後の買い物と昼ごはんを食べに行った。

 

 

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アウトレットは小さいながらにキッズスペースがあるので娘はそこで遊ばせて、夫と交代で娘を見つつ、買い物をした。トミーヒルフィガーでめっちゃ安くなってた子供Tシャツを爆買いし、靴屋で今より大きいサイズの娘用スニーカーを買った。日本で買うより安くて可愛い。もう一足、すごくかわいいカーキ色のコンバースがあったんだけど「紐靴はやめたほうがいいよ」と夫に言われてごもっともすぎて断念した。お昼は、フードコートで娘は二日目に食べたのと同じうどん、親は韓国料理を食べた。

そして雨振る中シェラトンが出してる無料送迎バス(っていうかバン)でホテルに戻ったのが14時前。送迎は14時50分だったので、ロビーでコーヒー飲みながらぼんやり待つか~と思っていたら、なんと14時すぎにはもう送迎車がやってきた。「準備できてるならもう連れてくよ?」と言うので、ラッキーとばかりに乗せて貰った。(これが運命をかなり左右した……)

グアムは町と空港がめっちゃ近いので、15分くらいで着く。荷物を預ける前におだいじタオルケットを取り出し、それからチェックイン。セキュリティー通過する前に乗ったエレベーターで、同じくらいの子連れの日本人夫婦と一緒になり「台風大変でしたね~」などと会話した。すると「グアム8回目なんですけどこんなこと初めてです~~」と言ってて、初回で当たったうちらって一体!?となった。(次回以降は晴れるってことだと信じてるけど!!)

いつも思うんだけど、アメリカは入国が厳しい割りに出国が本当に適当だなぁと。国内線かよ!と思うあっさりさで、セキュリティチェック&出国審査を通過。さて時間けっこうまだ早いし、最後に免税店ちょっと物色しちゃおうかな~~~と思った、瞬間。アナウンスで「17時発のUA成田行き、フライトキャンセルです」と、聞こえた気がした。「ねえ我々17時発だよね?フライトキャンセルって今聞こえたけど」と言ったら夫は「えーうっそだー」みたいな感じだったのだが、不安に駆られラウンジに行って聞いたら「キャンセルですねー」と。フライトスケジュールにもcanceledと。ANAJALは飛ぶ。UAだけキャンセル。ええええええええーーーーー!?!?!?

キャンセルと言うことは、今日飛ばないということである。飛行機が飛ばないということは、もちろん、帰れないということだ。なんということでしょう。グアムにもう一泊が確定の瞬間である。しかし飛行機はもちろん翌日に振り替えがあるが、自然災害が原因なので延泊のホテル代は出ない。しかしここで思い出したのが、あのぽちっとつけた航空機遅延特約の240円である。一人三万円!三人で九万円!と、とりあえず保険が降りればお金の心配はないな、と思った。しかし。……しかし!

せめて、あと5分早くアナウンスしてくれていたら出国しなかったのにーーーーー!!!!!!!!

そう、アメリカは出るのは簡単、入るのは厳しい国。たとえ今出たばっかだと言っても、フライトがキャンセルになっても「じゃあもっかい入っていいよ~~」と、おいそれと通してくれる国ではないのである(そんな国があるのかは知らないが)。更に運が悪かったことに、送迎がかなり早く来てくれたがために、同じフライトに乗る人たちの中でも多分かなり早めに入ってた方で、該当するフライトに乗る予定で同じように出国しちゃってたのは、うちら含めて4組くらいしかいなかった。そのたった4組にUAの職員さんは「許可が下りないと再入国できないからちょっと待ってて」と言って、姿を消してしまい、それから待たされまくった。「出れるタイミングは他のフライトの入国者が途切れる少しの瞬間しかなくて、それを逃すとまた長時間待つから、できるだけこのへんにいて」と言われて、ろくに買い物もできない。ラウンジにも行けない。つらい。娘をベビーカーに座らせておくにも限度がある。つらい。

とりあえず、今回の旅行はHISで手配してもらっていたので、HISのグアムオフィスに電話を入れた。通話し放題のSIMを買っておいてよかったと思った。最初は英語の人が出たけど英語で説明するのが面倒だったので日本語喋れる人はいますか?と聞いたらカスタマーか?と聞かれたのでそうですと言った。すると日本人の担当者に代わってもらえて、フライトキャンセルの事態は把握していて担当者が空港に向かっていますと説明を受けた。そして、帰れなくなった人向けにホテルの確保も始めたので、とりあえずその担当者に聞いてくださいと。オフシーズンだし、どうやら泊まる場所がないということはなさそうだ、とほっとする。それからあの旅行前日にぽちっと申し込んだ保険サービスの窓口に電話した。こちらは最初から日本語喋れるオペレーターに繋がる。事情を説明すると、やはり保険でカバーできるそう。お金の心配も要らないし、泊まるところも大丈夫そうなので、あとは外に出れれば何とかなるな、と思った。しかしコーヒーを飲みながら待っていたが、あっという間に1時間経過。相変わらずUAの人誰も居ないし、どうなってるのかも教えて貰えない。つらい。ホテルが埋まっちゃったらやだなーと思って再びHISに電話してみたら「そっちに人が行ってますからそっちでお願いしますーー」で終わってしまった。

しかし時間は経過しても状況は何も変わらない。交互に娘をちょいちょい歩かせたり遊んだりしているが、間が持たない。空港自体は混んでいる。キャンセルになってないJALANAの便でどんどん日本に帰って行く人たちを見ながら、只管待つ。いつまで待てばいいのかわからないまま待つ。正直つらい。そして私の中で何かがぶち切れた。「もういい、化粧品を買う!!!!!!」何かあったら走って呼びに来て(とはいっても50メートルくらいしか離れてないけど)と夫に頼み、ベビーカーに乗せた娘と共に化粧品売り場へ行った。三つで10%オフ、五つで15%オフになると書いてあったので、MACのアイシャドウとランコムのマットシェイカーとCHANELのCCクリーム持ってレジに向かうと「ソーリー、CHANELは値引きできないの」と言われ、おCHANEL様め~~~~となりつつ棚に戻し、かわりにボビーブラウンのジェルライナーを掴んで別のレジに行ったらそこのおばちゃんに「あなたの娘かわいすぎる!もう孫同然よ!よーし、15%オフにしてあげるわ!!」と言って15%オフにしてくれた上にポーチまでくれた。何だその裁量権……自由すぎる……しかし大変ありがたくお礼を言ってヤッピーとなりながら夫が死んだように待つベンチへと戻った。

まだ出られない。通路はめちゃめちゃ混んでるのでそこで待つのも疲れた。空港の係員さんに聞いてもUAの人じゃないとわからないと言われる。HISに再び電話する。まだ出られないんだけど、宿が確保できていないのが不安で仕方が無いからこの電話で予約したいんですーーと言うと、いいですよーーとあっさり対応してくれた。安い所から押さえてる、と言ってたんだけど、娘のこともあるし保険も出るから「できるだけ便利なところで綺麗なところ」とお願いしたら希望はありますかと聞かれたのでアウトリガーを取ってもらった。一室だけ空いてた。やったー!

ホテルが確保できて安堵したところで、ラウンジで待ってても良いといわれたので(もともと資格はある)、移動。娘は飛行機が見えて大興奮だったんだけど、他のお客さんに白い目で見られたので人がいない個室みたいなところに移動した。そこで缶詰のみかんを食べさせながらぼんやりしていたら、呼び出しがかかってようやく入国できることに。3時間経過、時刻は18時近くなっていた。パスポートを見せる必要は無く、誰もいない入国審査ゾーン(数日前にはめっちゃ並んでたところ!)を、係員さんの誘導で普通に歩いて通り過ぎた。

荷物を受け取って、やっと外に出るとHISの人が………いなーーい!!笑 ガーン!!うちらは良いんだけど、他の人たちは外で社員さんが待ってると思ってたみたいで、ちょっと焦ってた。外に出るのに時間が掛かりすぎて、もう誰も居ないと思って帰っちゃってたみたい。(翌日のフライトで会った時に聞いたら電話したらすぐ来てくれたとのこと!よかった!)

そこからタクシーでホテルに行こう……としたら、それまで降ってなかったのに急に大雨に。娘は「あめーーあめーー」と言って泣くし、我々も荷物もベビーカーもずぶぬれになるし、もーー、ライフはゼロである。しかし、アウトリガーについてロビーに入ると疲労困憊の親をさておき、娘のテンションはいきなりマックスへ。あたち、すずしくて綺麗な場所、だいすきーーーー!!!と、全身を使って表現していた。

さて、HISのお姉さんが取ってくれた部屋はとても綺麗でリビングと寝室が分かれていて風呂もめちゃくちゃ広かった。しかもバルコニーから海も見える。すごい!!もちろん中心地なのでシェラトンに比べると車の音や町の音はするけど、そんなの気にならないほど、気持ちは上がった。

 

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しかしもう19時すぎ。外に食べに行く気力もなく、そのままホテルのビュッフェへ。前日のシェラトンのビュッフェとは違いけっこう混んでた。そして日本人だらけだった!なんだ、こっちのほうにはいたんだね。アウトリガーのビュッフェは和、洋、中、と揃っていて、ラーメン作れたり、好きな具財を選んでパスタを作ってもらえたり、自分でピザを作れたりと中々面白かった。寿司バーもあった。ただやっぱり疲れていたのか、娘が途中でだだをこねだし何も食べない林檎ジュースすらイヤーー!!と喚き始めたので、とりあえず自分の分詰め込んで食べてから、夫を残し先に部屋へと退散……。デザートが食べれなかったのが無念だったのでロビーの所にあった何だか高そうなアイスのお店で、アイスをテイクアウトして戻った。疲労困憊の体と脳味噌に、甘いものはめちゃくちゃ染み入る。本当に美味しかった。ちなみにこれらの飲食代も全て保険で賄える!

 

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辛うじて食べた肉とかピザとか、ビールとか

 

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アイス染みた〜〜〜〜〜!!!!

のんびりできたら良いんだけど既に20時すぎ、翌日は7時のフライトなので4時起き・5時出発。娘をお風呂に入れて何とか寝かしつけ、もうこのまま寝ちゃおう……と思ったのだけど0時近くになっていきなり娘が謎の大泣きを始める。怖い夢を見たのか、疲れたのか知らないけど何をしても泣き止まず、我々は途方に暮れた。私はまだ良い。夫は明日成田に着いたら、そこから家まで車を運転せねばならない。睡眠が取れないと大変なことになる。だがそんな話をしてもギャン泣き大暴れの娘に通じっこ無い。トントンと宥めながら色んな歌を歌うも効果は無く、ああ、ここに娘の夜泣きに鉄板で効果がある「ねじねじの歌」があればなぁ……と、思ったその時に、気付いた。ピタゴラスイッチの歌アプリ、少し前にツイッターで見たな……??

https://itunes.apple.com/jp/app-bundle/pitagora-utanoapuri5bensetto/id1047572630?mt=8&at=10l8JW&ct=hatenablog

 

アプリは5個もあったが、アウトリガーのWIFIシェラトンのよりずっと強力だったのでギャン泣きする娘の傍らでさくっと落とせた。そして中を見て行ったら「ねじねじの歌あったーーーー!!!!!」こうしてアプリを開発してくださったユーフラテスの皆様とねじねじの歌の作者である石川将也さんのおかげで、我々夫婦はピンチを乗り越えることができた。

chanto.jp.net


朝4時に起床、大人の準備を完璧にしてから娘を起こすと、なんだかご機嫌。しかし外ではめっちゃ雷&豪雨。え……飛行機……飛ぶ?

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朝のフライトで帰る人は多いようでアウトリガーのロビーは混んでいた。タクシーを呼んでもらうようにお願いするも、全然こないし呼ばれないので乗り場に見に行くと、集団客のために大量にバスが来ていて、タクシーが全然近づけない状況になってたので、慌てて駐車場の奥のほうに来て貰ってそこから無事乗り込んだ。あのままぼんやり待ってたらやばかったかも。最後のタクシーの運転手は優しいおばちゃんで色々気遣ってくれて、なんとなく娘にも伝わったのか、今までどれだけ手を振られても人見知りしてたのに、最後におばちゃんがバイバイってやったらちゃんとバイバイを返していた。グローインアップ!

昨日と同じルートでチェックイン、セキュリティチェック&出国はスムーズに行き、フライトは少し遅れたけど、無事飛び立った。ちなみに、めたくそ揺れた。飛行機が揺れるのが超苦手なので、泣きそうだった。娘はけろっとしていた。しかし途中で機長が「しばらくbumpyだけどそのうち抜けるからね~」って言ってて、なんとなくその語感の軽さに救われた。確かにグアム、サイパンから離れるにあたって揺れは収まり、飛行機はほぼ定刻どおりに成田に着陸した。娘はほとんどぐずることなく、それなりに機嫌良く居てくれたのでよかった。

飛行機に乗るとき、特に離着陸時はいつもエルゴに入れていたんだけど、この帰りのフライトではCAさんに「これはダメ、外して」と離陸直前に言われた。他のフライトでそう注意されたことはなかったのと、無いほうが危険では?と思ったんだけど、禁止されてるのと言われたら従うしかないので、外した。帰ってから調べてみたら、抱っこ紐はNGの会社のほうが確かに多かった。抱っこ紐しているほうが怪我や死亡が多いという調査結果があったからみたい。でも抱っこだけだと腕しゅぽーんてなったら危険では?とも思うんだけど、そういう結果が出ているから今はそういう方針なんだろうな。

私も夫もそれなりに海外行ってるし飛行機も乗ってるが、人生初のフライトキャンセルが、1歳児連れの初海外旅行じゃなくてもいいのにね、とは思った。でも保険に入ってたおかげで心の余裕がとにかく半端なかったので、今後も航空機遅延特約はつけようと思う。保険会社からは書類が届いていたので、領収書やら遅延証明の書類やら代替便の半券やらを添付して送った。保険金は一週間くらいで支払われた。(ホテル代・飲食代・現地のタクシー代の実費)

 

色々なことがあったけど、何はともあれ誰も怪我も病気もなく、娘も体調を崩すこともなく、無事に帰ってこれてよかった。娘はグアムに行ってからいきなりぐんと言葉が増えたので、良い刺激にもなったのかなと思う。グアムでやり残したこと、心残りは色々あるけど、そういうのは次に行く楽しみに繋がるので嫌いじゃない。次の旅行はいつ、どこに行こうかな~など、今から考えている。次はまた国内かな~。温泉も行きたいな。

  

 

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手前のサンダルは今もお気に入りでよく履いてる。左上のは、もう少し大きくなったら。19ドル、16ドル、9ドル。安い。

 

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キッズコーナーのお気に入りパネル

 

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グアムの花はブーゲンビリアらしいけどあまり見かけなかった。(この写真もピンぼけだ)

 

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シェラトンのロビーには出張スタバがある。なんとなくほっとした。

 

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楽しかったけど、やり残したことたくさんあるから、また行きたい!
飛行機三時間半でアメリカは魅力的だ〜〜!!
とりあえず次は乾季で、ホテルはタモン周辺にしたい。
娘の卵アレルギーが治ったら、一緒にパンケーキも食べたいな。