october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

新版 20週俳句入門

オリンピックとその周辺のことを考えるとただただ悲しく、そして虚しくなるのでほとんど個人としては何も見ないでいるうちに閉会していた。閉会してもなお、虚しい気持ちは続いている。私はもともと招致には反対の立場で、でも開催が決まったなら、せっかくやるなら良いものになるといいと思っていたし、コロナ禍でなければ観戦に行く予定だった。子に見せてあげたかった、と思う気持ちはあったけれど、それ以上に踏みつけられた痛みが、軽んじられた悔しさが、想像以上の失望が、もうちょっとキャパを超えてしまって、呆然としている感じ。アスリートは頑張ったんだと思うからこんなことは言いたくないけど、その周辺であまりにも醜悪なものを見せつけられすぎた。何もかもがnot nowでnot readyでnot appropriateだった。選挙に行きます。(行かなかったことはないですが)

 

さて、俳句の話。一年前に俳句を始めたばかりの頃「一日一句作る」を目標にしていたが、これは続かなかった。そこで最近少し変えて「一日30分・句作の時間を作る」を試しているが、これは中々いい感じ。キッチンタイマーでちゃんと30分計る。何句作ってもいいし、作れなくてもいい。気が乗らなかったら歳時記を眺めてぼんやりする時間でもいい。この作戦で今は週5くらいで俳句を作れている。とりあえず体が慣れることが大切だよなぁと思うので、上手く作ろうという気持ちを持たないようにして頑張っている。

 

今年の4月より、俳句結社「炎環」に入会した。句会には一度しか出られていないけれど、結社誌で好きな人の句を読めるのはとても良いなぁと感じている。まだ走り出したばかりで、何を考える段階でもないので、緩やかでもいい、少しずつでもいい、続けることだけが大事、の気持ちで進んでいきたい。

 

最近作った俳句。

 

抱擁や芍薬の影ほろほろと
胡麻の花紙婚式の昼餉かな
山滴る校歌の二番響きよく
こつこつと死の音軽し浅蜊
さみしいとさびしいの間に半夏雨
花蜜柑裏の真白な名刺かな
辛口のカレーを煮たり暑中見舞
日めくりを二枚破りて冷し瓜

 

最初に読んだ時に「毎週必ず暗記をする俳句」で素直にウッと躓いたアラフォーであるが、いやいや、まあ一度通して読んでみてから……と思って通して読んだらとても分かり易かったし面白かったしなるほどって目から鱗が落ちたし色々とすみません、真面目にやります……と一人膝を抱えた。なんか、プレバトに破調が多いので、破調に挑戦しなきゃダメなの?みたいに思っていた時期が一瞬だけあったんだけど。違いますね。はい。まずは有季定型で作れるようになってからですね。(と、個人的には思いました)「4つの型」がとても分かり易かったので、今もよく読み返している。

 

今日の写真。

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娘が「見て!!ハートのむしくいだ!!!」と言って撮った写真。

 

虫食いがハートに見えて風死せり