やっと晴れた。今日は仕事を片付ける日。
仕事で他国の人と話していて「日本のコロナだけど、年末から来年前半には国民のほとんどでワクチン接種も済み状況はかなり好転するだろうという見通しを読んだけど、現地に居る身としての実感はどう?」と質問をされた。私も春ごろに、それこそ仕事で、他の国の状況について似たようなことをまとめたり書いたりとしたことがある。にも関わらず「年末?来年?そんなこと全く考えられないし考えてなかった……どうなるんだ?」と途方に暮れてしまった。渦中にいると目の前の日々を凌ぐのに必死過ぎて、少し先の未来のことさえ何も見えなくなる、考えなくなるんだな、ということを思い知る。
炎環 Enkan 492号(2021年6月号)
自分が見返す用の記録として残したいので、結社誌についても覚書をいくつか。
薔薇の園薔薇の重さに崩れけり 星野いのり
美しすぎてウッてなって薔薇のことを考えるとすぐこの句を思い出す体になりました。
金星やふらここひとつ揺れのこり Mコスモ
ぶらんこが一つだけ揺れている景と、夕暮れの空に見える金星と
懐かしい夕方の景にも、ちょっと不思議なSFの入り口の景にも見えるところが好きです。
公園のママチャリいくつ草青む 飯沼清視
気候が良い季節になって公園にママチャリがだーーっと増えていく光景に
とても春を実感していたので、ものすごく「わかる〜!」と思いました。
母の愚痴わが愚痴をさむ春の闇 三井つう
共依存のような甘い暗さと、少しねっとりとした重さが「春の闇」と合うなぁと思いました。
ふれてはなれてオペラグラスの先の蝶 箱森裕美
愛おしいものがオペラグラスの先に居るのでしょうか。
オペラグラスが目元に触れ、離れするのと、蝶(推し?)が
ちらちらする景を、こんな風に表現できるんだな……!と。
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満天星の花欠伸呼ぶ欠伸かな 十月