october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

天龍院亜希子の日記/安壇美緒

1月の後半からオーディブルが聞き放題になるらしい。嬉しい!購入も引き続きできるみたいだけど、これはあれか、Kindle Unlimitedみたいな仕組みになるってことかな?図解が多いような本だと「これはオーディブルじゃなくて本で読みたいな」と思うことが多いのだが、最近そういうのを調べると大体Kindle Unlimitedに入っているので「よっしゃー!わかってる!」ってなる。Audibleは家事時間がまるごと読書タイムになるので本当に最高。

 

奈良健康ランドで「鹿の王」とのコラボ予告広告を見て、夫と「これは、奈良だから?」「いや、違うでしょ」という会話をしていたのだが、ちょうど鹿の王がオーディブルにあったので聞き始めている。いや、わかってたけど、これ奈良全く関係ないなww

 

ふとインターネッツで見かけたこの、イマムも目を回すを作りたいんだけど、今は茄子の季節ではなかった。でも作りたいからここにメモで残しておきます。

dancyu.jp

 

Kindle

主人公含む登場人物がみんなどこかちょっと毒があったり、あるいはテンプレートな感じの嫌な奴だったりで、んあ〜、失敗したかも?と、なりつつも読み進めていくと、だんだん何だか誰も彼も憎めなかったり、辛さも必死さも楽しみも絶望もなんだか身に覚えのあるものだったりして親近感すら湧いてくる。聖人なんていないし理想の会社もないけれど、一方で極悪人だとか完全悪の会社っていうのもそうそうあるわけでもなくて、嫌なことだったり良いことだったりなんともいえないことだったり不満だったり色々ある中でどうにかこうにか繋いでいくのが人生でもあるわけで。主人公の田町くん(浮気どうこう以前に)若干クズなところがあるけれど、彼の明るさや切り替えの早さで救われる人がいるのもとてもわかる。ふみかだって、最初はテンプレートに嫌な女子かと思ったけど、ものすごく頑張っていて頭も良くて魅力のある人だ。人間の多面性みたいなものを、大げさではなくて、生活しているなかで「あー、あるなぁ」っていう程よいリアリティの部分に着地させているところが、なんか、うまいなぁと思った。天龍院亜希子が最後まで登場しないところも良い。ただ存在感は思ったより薄かったかもしれない。どんでん返しというほどの出来事はなかったけれど、それがライフだよねって思う。田町くんと早夕里の結婚生活は、なんとなく危うい感じもあるけれど、案外これくらいの距離感の方が上手くいくのかもね、とも思ったりする。