コロナ前に使っていた仕事用バッグ(ace.のレディースのリュックにもなるタイプ)があまりに草臥れていたので、去年の断捨離で処分してしまった。フルリモートのワンマイル生活では、通勤バッグもいらないし布のトートや、斜めがけミニバッグで過ごしていたところ、来週から(とある取材案件で)様々な客先に回るのに、ろくなカバンがないことに気付く。たまにの出社はナイロントート(ル・プリアージュ)で行ったけど、これもほつれてるし何より色がかなり鮮やかな緑でカジュアルっぽい。これで客先に行っても大丈夫だろうか……って、会社勤め18年選手の悩みじゃないなこれ。さて、困った。
一つカバンを買おうとはしているのだが、それはザ・お仕事バッグにはならない感じだし、まだ決めきれてないので来週には間に合わない。でも適当な安いカバンを買うのも自分の中では絶対違う。もう間に合わせでは買わないのだ……と自分に言い聞かせるも、じゃあどうするの!?って振り出しに戻る。このまま緑で行く?それともネットで安いの探す?それとも現在休止中のラクサスにお願いする?うーん。アポがオンラインになってくれたらいいのにな。(結局それ)
楽園はビジター登録をしていて、毎号わくわくしながら読んでいる。覚書を兼ねて、はっとした句をいくつか書き留めておきたい。(敬称略ですすみません!)
狐火や心臓ときに思考する 堀田季可
「心」って英語でなんだろうって、最近ちょうど考えていた。検索するとheartと訳されたり、mindと訳されたりするのだが(知ってたが)、でもheartとmindって全然ちがくない?って、若干納得できない気持ちにもなりモヤモヤぐるぐると。これは逆でも、別の言語でも起こりうるんだけど、めちゃめちゃシンプルかつ重要な言葉でぴったりくる訳語がないものって、割と多い気がしている。で、この句。そう、心臓の思考。これは正しい訳でも辞書的な定義とも違うのだろうけど「こころ」はmind in my heartが一番しっくりくるなぁと思った。ゆらゆらしている狐火に「あたりまえでしょ」って言われそう。そんな「こころ」の句。とても好きです。
初夢のピル飲む選択肢拒む 赤野四羽
なんていい初夢なんだろう、とうっとりした。手放す時の心地よさ、背中に落ちていく時の快感、現実では味わえない開放感。しっかりものにこそ、最高の夢。
とある友人の顔がなぜかぽーんと浮かんだ。(その子は日本海側に住んでいるわけじゃないのだけど!)美味しいものやお取り寄せが好きな酒飲みの日常に、ぽんと普通にありそうなリアリティ。(全然関係ないけど俳号は姫ちゃんのリボンなのでしょうか……!?かわいい!違ったらすみません)
月冴えて童話にあまた鬼の遺児 町田無鹿
「鬼」のお題。ひんやりした悲しみ。物語の語られない、向こう側でありこちら側。復讐や憎しみに燃えているわけでもなくて、ただただ月の下で悲しみだけが漂っている。表情を無くした鬼子たちの虚ろな目が見えるようだ。昔話法廷の桃太郎の回を思い出してしまった。
○●○●に謝ってゐる子供たち 横井来季
「鬼」のお題。この伏せ字のやり方が新しすぎて目がぽーんとなった。目がちかちかするし、脳内イメージもちかちかするし、とにかく走り出したくなるほど怖い。謝っている相手の何かが存在すら不安定な感じが出ていて最高に不気味。小説書いてて伏せ字を使ったことはあるけど、この発想はなかったしこれを散文の中にいれれても絶対にこの効果はでないと思う。効くのは絶対に俳句だな。凄い。
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