october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

茨木のり子集 言の葉3/茨木のり子

百日紅はまだ咲いているのに、お迎えの時間が薄暗くなってきた。秋分も過ぎ、暗い時間に気をつけて自転車を走らせる時期に入る。乳児クラスでベビーカー登園していた頃、この時間帯に、暗く、その上、渋滞の抜け道として車通りがけっこうある住宅地を歩くために、ベビーカーや自分のリュックに反射材を付けまくったことだとか、ベビーカーに百均の自転車用ライトを付けまくり、ぴかぴかエレクトリカルパレードのごとく光らせていたことだとか、自分のコートも明るい色しか買わないようにしていたことだとか、色々思い出す。暗いターンをあと2回、明るいターンをあと1回こなしたら、永遠に続くような気がしていた保育園生活が、あっという間に終わる。ぽっちゃぽっちゃしていた赤ちゃんはもうすぐ五歳。シュッとして、平均よりかなり背の高い子になった。私は昨日Theoryでショートコートを試着した。色は黒だった。

 

 

5年以上前だと思う。世田谷文学館茨木のり子展があった時に、売店で買った。ふと本棚で見つけてパラパラ再読していたら、いくつかドッグイヤーがあり。それが、あまり記憶にないものだったので、当時の私にはこの詩が響いたのか、となかなか新鮮だった。

ドッグイヤーはついていなかったけれど、ずっと記憶にあって、好きな詩は「行方不明の時間」かな。

 

人間には

行方不明の時間が必要です

なぜかはわからないけれど

そんなふうに囁くものがあるのです

後半の、透明な回転ドアのくだりと、締めの「チャラよ」という言葉が、とてもとても好きなのであった。

 

茨木のり子展に行ったのは大雨の日で、行きも帰りもずぶ濡れになり、その後熱を出して数日仕事を休んだりした。気楽に熱が出せた時代の話。

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2014年の6月だった!