october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

言の葉は、残りて/佐藤雫

子供時代のクリスマスの楽しかった思い出が、その後のクリスマスに対するなんとなくわくわくとした気持ちに繋がってる。またクリスマスに対する面倒くささも、あの頃の楽しかった気持ちからの、ねじれた想いな気もしている。今は子供のためにクリスマスを頑張っていて、大変は大変だけど楽しくもある。

 

ここ数年、毎年丸鳥を焼いていたのだけど、丸鳥には脚が二本しかないという当然の事実にようやく思い至り、今年は人数分のローストチキンレッグを近所の美味しいお肉屋さんで買った。他にはフライドチキン、星形ポテト、ストウブで炊くパエリア、バーニャカウダ、ブロッコリーのスープ、ポテトサラダ、カルパッチョバケットレバーペースト。大人はフレシネ、子はりんごジュース。

クリスマスケーキは、ホールケーキにすると子が好きなチョコケーキ一択になってしまうので(家族の誕生日も全部チョコケーキになるので、流石に少し飽きてきて)、今年は近所のパティスリーのカットケーキを人数分、夫に並んで買ってきてもらう。しかしおしゃれパティスリーのチョコケーキは大体ピスタチオが入っているのでカシューナッツアレルギーの娘には少し危なくて(カシューナッツとピスタチオは同じらしい)、結局、駅ビルのケーキ屋でシンプルなガトーショコラを買って、それにホイップクリームとチョコスプレーで飾り付けをした。ケーキを選ぶのはじゃんけんだけど、チョコスプレーがかかってる時点で、子はそのケーキに夢中になって無事それをゲット。みんな満足でウィンウィンである。

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クリスマスプレゼントは自転車。隠すのがなかなか大変なので、取り寄せしてもらった自転車屋さんにギリギリまで置いてもらった。ありがとうございます。じいじとばあばからお洋服やプログラミングカー、ポシェットなど。私も母からのらねこぐんだんの靴下をもらう。

 

歴史にそんなに明るくなくて時代劇も江戸時代のものしか手にしたことがなかったので、鎌倉幕府を舞台にした物語を初めて読んだ。実朝と信子が、本当にまっすぐで可愛らしくてずっとなでなでしていたい……のに、地獄に突き進んでいくのが辛い。ラブストーリーでありながら群像劇でもあった。特に好きだったのは、信子が初めて海を見た場面、政子と頼朝の馴れ初めの場面、父を失った後の信子と水瀬の場面、そして実朝と信子の場面全て。朝盛も泣けた。完璧な善人はおらず、同時に完全な悪人もいない。誰もかれもが優しくて、そして悲しい。丁寧で誠実な小説だった。面白かった。