october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

男の子になりたかった女の子になりたかった女の子/松田青子

やっと出歩くのが気持ちいい季節になった。この時期にしてはまだ暑すぎず、いい気候なんじゃないかと思う。朝のウォーキングも続けているが、夜の句会の後、いつもなら電車で帰るところを40分かけて歩いて帰れるのも気持ちがいい。

基本は在宅勤務のままだが、月に何度か直接顧客訪問することもある。今はジャケット一枚羽織って外を歩くのにちょうどいい気候だし、都心で寄り道するのも楽しいし、気分転換にもなるから大歓迎なんだけど、これから真夏になっていくと辛いんだよなぁ。去年買ったuncrave WHITEの半袖のジャケットが今年も活躍しそうだ。

 

短編集。松田青子のSFが、とにかく大好きである。
シニカルかつ圧倒的にユニークな世界観で、軽やかに直球に社会構造の不条理をぶん殴っていく。

「私の生理ってきれいだったんだ」
『おばちゃんたちのいるところ』が世界中で大反響の松田青子が贈る、はりつめた毎日に魔法をかける最新短編集。 コロナ禍で子どもを連れて逃げた母親、つねに真っ赤なアイシャドウをつけて働く中年女性、いつまでも“身を固めない" 娘の隠れた才能……あなたを救う“非常口"はここ。

「桑原さんの赤色」の、アイシャドウの色が、親切なクムジャさんの赤いアイシャドウのことだと気づいた時はアガった。

「許さない日」は教科書に載せてほしい。

「向かい合わせの二つの部屋」みたいなお話はとにかく大好き。

「「物語」」はプレジデントあたりに載せてほしい。

 

「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子」

本のタイトルを子が何度も読みながら「どういう意味?」と聞く。「男の子になりたかった女の子になりたかった女の子っていう意味だよ」「どういう意味?」「男の子になりたかった女の子に・・・」「どういう」「男の子」「ど」と、もはや無限に続けたのがちょっと楽しかった。