俳句の波がやってきた。に書いたように、俳句SNS【俳句てふてふ】に投句をはじめて、10日が経った。今のところ何とか1日1句以上は詠めている。いいねの数で段位があがるシステムで、今現在トータル204いいねで6級になったばかりのところ。6月の投句数は17句で平均いいねは12。6月は10日分しかなかったので上位5句をまとめてみた。同点のものがあった場合は、新しいものを上にする。なお、週間ランキングで上位の句は40前後のいいねが付く。まだまだだけど、初心者なので今は詠むのが楽しければそれでよし。
茗荷盛る悩み多き夜冷奴
18いいね。これ昨日の夜の句なんだけど一晩でわりといいねが付いて1位になりました。季語は「冷奴」。
最初は「ネギ刻む悩み無き夜冷奴」で、呑気に冷奴を食べる夜の句だったんだけど、ネギが冬の季語だったので季語被りでNG。その後茗荷を盛りながら「悩み無いというか、むしろ今細かい悩みが山ほどあるのでは……?」と思っていた矢先に子のお熱が出たので「悩み多き夜」に変えました。
梅雨晴やまだ恋知らぬ青檸檬
これも18いいね。切れ字使ってみたくて「梅雨晴や」にしたけど、投句した後で多分「梅雨晴に」の方が自分の思い描いた情景に近いのでは?と思った。ベランダの青い檸檬がまだ酸いも甘いも知らないくらい小さくて可愛いので。季語は「梅雨晴」。
沖縄忌柔らかき日々は遠くとも
17いいね。6月23日に、他の人が沖縄忌でたくさん詠んでいるので、自分も想いを馳せてみた。私が慰霊の日について思うときに真っ先に思い出すのは、昔見たプロダクション・エイシアの「ひめゆり」という長編ドキュメンタリー映画で、そこから、まだ少女だったおばあたちの柔らかき日々を思い出して詠んだ。季語は「沖縄忌」(6月23日沖縄慰霊の日のこと)。
ミント食み尺取り虫も熱逃す
15いいね。ベランダのミントに尺取り虫がついていてかなり齧られていたので。「涼を取る」とかにしたかったけど季語被りになるので、ウンウン頭を捻って「熱逃す」になりました。季語は「尺取り虫」。
梅雨雲の狭間にちょこりポーチュラカ
14いいね。ベランダで日差しが出た日にちょこっと咲いたポーチュラカ(ヘッダーの写真)が可愛かったのでそのまま詠んだ。季語は「梅雨」。ポーチュラカと松葉牡丹は近いけど、季語はどこまでカバーするのだ……?と謎に思いつつ、とりあえず季語ではない扱いにしてみた。(松葉牡丹は夏の季語)ちなみにうちのポーチュラカは「京ちゅらか」シリーズのイルミネーションという色です。
以上です。お粗末様でございました。
10日間毎日詠んでみて思ったのは、季語の縛りをどうするかで頭を使うなってことと、本情のイメージが付いていない季語が多くあるので勉強しなきゃなってことでした。(季語にはその季語まんまの意味だけじゃなくて、その概念が包括する場面や雰囲気やイメージがあってそれを季語の本情という)。あと結構、中7が8になってしまいがち。(沖縄忌の句とか)
俳句は推敲の芸術だとも言うそうだが、ぱっと思い浮かんでこれで良いかと思ったものと、良いかと思っても一度立ち止まってやっぱり考え直して色んなパターンを試してみた、言い方を変えてみたものだと、やっぱり出来上がり(といいねの数)は違う気がする。本当は添削とか受けてみたいけど今は中々難しいだろうから、しばらくは黙々と句を作るのを頑張ります。句会行ってみたいなぁ。
最近、読んだ句の中で好きだったものを幾つか。
一瞬にしてみな遺品雲の峰
櫂未知子
お母様が亡くなられた時の句とのことですが、うわっとなりました。すごい。
水やりは女王蟻に届くまで
小林鮎美
もうめっちゃ好きすぎるってなりましたね……。
春光をゆく暗闇をゆくごとく
月野ぽぽな
キラキラした光りと、自分の中にある暗闇の対比が好き。
箸といふしづかなるもの空豆へ
長谷川櫂
そっと空豆の箸を伸ばす感じが素敵。日常の中にあるそっと厳かになる場面みたいな。空豆なのに。
SFのやう向日葵のこんなにも
小泉瀬衣子
「SFのような向日葵畑」が一瞬で瞼の裏にぶわっと広がって、想像するの楽しすぎた。
卒塔婆は噴水でよしわが忌日
渡辺誠一郎
めっちゃ笑いました。おちゃめ!!
性格が紺の浴衣に収まらぬ
櫂未知子
これも笑ったし最高に好き。かっこいい。
虹消えて了(しま)へば還る人妻に
三橋鷹女
はっと、夢から覚める感じが好き。
虹が出るあゝ鼻先に軍艦
秋元不死男
これは字足らずの例で出てきた句なんだけど、余韻のゾッとする重さ、不気味さと、虹の対比がすごい……と印象に残った。
コメントがすべて小並感あってすみません。
上の句の八割の出展は「角川 俳句 7月号」より。俳句雑誌、色んな人の俳句たくさん読めて楽しい!