october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった/岸田奈美

子が、複数の男子に「女なのに自分のことを僕と呼ぶのはおかしい」と言われたと言って怒っていた。「そんなこと言う奴にはうるせー!と言ってやりな」「頭が古いんだなって思えばいいよ」と伝えたら、ゲラゲラ笑っていた。でも、実際「うるせー!」と言うと相手が逆ギレするかもと思い怖いらしい。現実問題としてはそれもわかる(私もあんまり言えないし)。ただ、実際言うかどうかの話ではなく、全て真摯に真面目に真っ直ぐ受け止める良い子ちゃんでいるより、瑣末でどうでもいい意見やアドバイスに対して「うっせーんだよ!!」と(最低限、心の中だけでも)跳ね返す胆力は、この社会で女を生きていく上で必要なものだと思っている。人生は短いのでな。かまってる暇はないのだよ。

 

岸田奈美さんの生き方や考え方で、今ハマっているThe Happiness Labの内容をちょいちょい思い出す。幸福とは生まれ持って与えられるものでも、勝ち取っていくものでもなくって、あり方を試行錯誤していくことと、過去の後悔や未来の不安に囚われて今をおろそかにしないこと、大切な人をちゃんと大切にしていくことの先にある状態なんだと思う。