october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由/ジェーン・スー

GWが終わってしまった。さみしい。しかし今年は「この連休育児疲れから回復するための(一人)休みが欲しい」と思わなかったのは、子が成長したからか、遠出をしなかったからか、はたまたわりと自分の時間を取っていたからか……全部か。連休が明けていきなり週5はきついよね〜と寝ぼけたことを言いたくなるが、今日お仕事の人もお仕事じゃない人もGWお仕事だった人も皆さん、お疲れ様です。

昨日は箱森裕美さんに声をかけてもらって初めて結社の東京句会に行ってきた。大雨の池袋!通い始めて2年になる句会でもドキドキするのに、さらに大人数なのでもっとドキドキである。議論がとても熱くて色んな話題が出て本当に刺激&勉強になった。週末は家族の予定が入りがちなため毎月は厳しいかもだけど、また行けるタイミングで参加したいと思う。ZOOM句会も入れて、3回句会に参加できたのでかなり良いGWだった。……うーん。やっぱり自分の時間が多かったから、いつもより疲れてないのかも!

 

叩かれてもうまくいかなくても、しなやかに強く輝き続ける方法
私はずっと、私のためだけに存在する
私の椅子が欲しかった―― 一条ゆかり(漫画家)

めげず腐らず、花を咲かせた
13人の女たちに聞いた「私」の見つけかた。
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よく知られている13人の女性たちが歩んだ道について聞いた、初のインタビューエッセイ。
つまずきにもめげず腐らず、自分らしい花を咲かせた女性たちに、初めから特別な人はいませんでした。
*毎日働いて、明日にバトンをつなぐだけで精一杯
*「自分なんて」とつい諦めてしまう
*人生が上手くいく人は自分とは違う人
*自分を信じることができない人…
そんな女性にもぜひ読んでほしい1冊です。

■お話を聞かせていただいた13人
齋藤薫/柴田理恵君島十和子/大草直子/吉田羊/野木亜紀子浜内千波辻希美田中みな実山瀬まみ神崎恵北斗晶一条ゆかり

週刊文春WOMAN」連載を加筆・編集したインタビューエッセイ!

Kindle

四月の滋賀旅行のお供に選んだ一冊目。もー、散々言われていることだけど、本当にパワーをもらえる。十三人それぞれの、生きるための葛藤、超えてきた壁、伸ばした手の力、あがき、縁、情熱、救い、一言では言い尽くせない色んな波の中で、もがいて泳いで繋いできた人たちの言葉を、スーさんが丁寧に引き出して、整理して、まとめていくのがすごい。女にとって「時代」が良かったことなんて、多分これまでぜんぜん一度もなくて、ただその中でも「時流」に乗ったり、くぐったり、交わしたりしながら、闘ってきた人たちの話だ。

 

小学校の図書館にあった女の話は、たしか『ナイチンゲール』と『マザー・テレサ』と『キュリー夫人』だった。樋口一葉や津田梅子のことは知らなかった。実際の業績に関わらず、世間が持つナイチンゲールのイメージは白衣の天使であり、マザー・テレサは修道女。どちらも、愛をもって他者に献身する姿が讃えられる。キュリー夫人は天才物理学者・化学者だが、誰かの妻である「夫人」が苗字のあとに必ずくっついてくる。いや、わかっている。そういう時代だったのだ。女が多くを求められなかった時代を切り拓いてきた先人たちには、最大の敬意を表したい。

と同時に、もう少し親しみを感じられる女たちの話を聞きたいとも思う。そういう欲望が、私のなかにムクムクと湧いてくる。百聞は一見に如かずと言うが、女が自分の手と足で人生を切り拓いた話は、百聞すらままならないではないか。

人は「知らないことはできない」と相場が決まっている。女にまつわるつらいニュースばかり追っていたら、女はこういうものだと思ってしまう。そんな言葉はないが、強いて言うなら「淘汰者バイアス」だ。(はじめに、より)

 

若い子に読んでほしい……んじゃなくて、私の世代に読んでほしい。