october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー

今飲んでいるホルモン剤の影響というか副作用で若干貧血気味で、そこに台風2号が重なったのでしばらく体調が低空飛行だった。一応、受診はしたものの大きな問題はなしということで薬も出ず、しかし低空飛行なのは変わらないので、マスチゲンS(錠剤)、アリナミンA(錠剤)、アミノバイタルファイン(顆粒)、補中益気湯を寝る前に入れると、坂をどんどんどんっと登るように一気に元気になった。もう少し副作用が治まるまではこれで行こう、と思いつつ、明らかにビタミンB 12が必要量を大幅に肥えていて飲み過ぎが気になる(ただ厚労省のページを見る限り、上限(過剰摂取)の設定は特にない)こういう相談って薬剤師さんにしてもいいものなのかな。かかりつけ薬剤師制度って今どんな感じなんだろう。

オーディブル

未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人人類を救うミッションに挑む! 『火星の人』で火星でのサバイバルを描いたウィアーが、地球滅亡の危機を描く極限のエンターテインメント

上巻を聞いて、めちゃめちゃ面白かったので下巻(6月30日公開予定)を待ちきれず、後半のチャプターは英語版を聞いた。

声色を比べると、日本語版のグレイスのほうがお茶目感が強く、ロッキーも可愛らしい。英語版に入ってすぐはちょっと違和感を覚えはしたけど(グレイスが真面目すぎない?と感じていた)、英語版は回想時のキャラの英語の発音が出身国ごとに違っていて「あー、なるほど、英語圏の声優さんはこういう演じ分けができるんだ」と目から鱗だった。すっごいおもしろい。慣れればどっちも聴きやすくて楽しかったし、キャラの違和感もすっかり消えていた。

光のSFとか、陽のSFとか色々言われているけれど、本当にに温かい気持ちになったし、深刻な場面もそうでない場面もどこか通底する明るさとユーモアがあり、とっても楽しい読書体験だった。グレイスのキャラクターによるところも大きいとは思う。ここは本当に三体と同じ宇宙の話か?黒暗森林は?途中「あっ、あっ、ダメーー!!あぶなーーい!!」と思ったけど、全然大丈夫だった。

あと一つはっとしたのが(これは三体でも思ったけど)、地球の危機にみんなで力を合わせて立ち向かおう、となった時にそこにもう日本はいないんだな〜〜ってこと。JAXAは登場したけど、あれは現時点での力の話であって、将来の課題をスピード感を持って解決、っていう時に(個人の力はともかく)国の力はもう無い(と思われてる)んだな、としみじみ感じた(そして妥当だと思う)。序盤にちょこっと登場した博士も通訳付きだったし、まあそういうことだよね。創作の世界だけどリアリティある。

筋については、でも何を言ってもネタバレになってしまうので、これ以上は書かないけれど、なるほどエンターテイメントってこういうこと、という感じ。映画化が楽しみ。でもこれどうやってネタバレを回避したプロモーションするんだろう?ということは気になる……。(あと下手を打つと大撃沈するだろうなとも思い……まあ、SFは大体そうかもしれないけど)