october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

ピタゴラスイッチと最近の娘

Eテレがあって本当によかった。最近毎日思っているし、思ったことが無い子育て中の親なんているのか?と思う。(まあテレビ見せない方針のおうちとか、色々あるからいるだろうけども)テレビ体操で一日をはじめ日本語と英語で遊んでからの0655で和んでシャキーン!からのデザインあピタゴラってからコレナンデ商会あたりで家を出る。保育園でお迎えしてから帰宅してクックルンオトッペを流しながら離乳食を作り、テレビを消して食べ終わったら、娘が大好きなおかあさんといっしょといないいないばあの録画を一緒に見る、ようなEテレルーティーンが出来上がっている。

もともとテレビを見るのはそこまで好きじゃない。ドラマも嫌いなわけじゃないんだけど毎週同じ時間にテレビの前に座るという習慣が無くて見逃してしまうことがほとんどだったし、朝の情報番組以外で定期的に見ている番組は無かった。あと誰かを集中して叩いてるニュースが遍く苦手なので、どのチャンネルでもそれ一辺倒になる時はテレビを消していたし、芸能人が勝手な憶測でニュースや社会問題について喋っているのも苦手、あと同じような再現VTRを何度も見せられるのも嫌だし……って感じで目的の番組を見る時以外は、適当につけたりつけなかったりだったんだけど(夫はわりとよく見ている)何がすごいかって、Eテレを付けっぱなしにしておくとそう言ったストレスから自由になるのだ。朝から晩まで、心が穏やかになる。和んで、それでいてウィットに富んだ大人向けのコンテンツもけっこうあって、節々がセンスの塊だし、誰かを攻撃したりすることはゼロだし、それでいてけっこうエモい内容も多くて、まあ何が言いたいかと言うとEテレは思ってた以上に神だったということなんです。

おかあさんといっしょ、いないないばあ、みいつけたが大好きなのはもちろんとして、それ以外で親子じじばばみんなお気に入りなのがピタゴラスイッチである。平日は毎日ミニ版で5分、土曜日に15分の尺でやっている。基本のピタゴラ装置のコーナー以外にも、小さなコーナーがたくさんあって毎日それが入れ替わり構成されている。そして土曜日の15分で、その小さなコーナーのを一つピックアップして特集していたり、ピタゴラ装置の特集だったり、あるいは音楽の特集だったり、まあつまりなんやかんやの特集である。毎日のも楽しみだけど、15分で色々見れて土曜日のはお得感が強い。娘の一番のお気に入りは一番基本のピタゴラ装置なのだけど、それ以外にピタゴラ暗号棒、お父さんスイッチ、こんなことできませんのコーナーなどをかなり熱心に見ている。ピタゴラ装置を見ている時はものすごい集中してピタッと止まってくれるので、風呂上りはだいたいピタゴラスイッチにしていつも嫌がる顔の保湿やらなんやらを片付けてしまう。何をやっても泣きやまない夜泣きの時も、ピタゴラスイッチを見せると泣き止んで落ち着く。ピタゴラスイッチさまさまである。

ピタゴラ装置を見ていて思うのは、よくもまあこんな仕掛けを考えるな!ってことと、つなげ方がすごいな!ってことと、器用だな!ってことなんだけど、勝手な想像だけどこれってもしかしたら担当しているのは別々の人なのかもしれない。もちろん一人の人が全部やっちゃうこともあるんだろうけど、そんなのはピタゴラ装置を作るために生まれた天才のすることで、実際は一つ一つの装置を考えるのがうまい人、それをつなげてひとつの大きな流れを作るのがうまい人、セッティングが神がかってる人、ピタゴラ映像を撮るのがうまい人、音楽を合わせるのがうまい人、など色々いそう。私は小説を書くのが好きで、それを一生の趣味にしているけれど、小説も長編だと「細かいひとつひとつのエピソードを作ること」「それを全体を通して構成し、大きな流れを作ること」「文章を丁寧に書いて物語を実際に作っていくこと」は使ってる脳みその部分が違っている気がしているし、スキルとしても別のものだと感じている。そういう意味で、ピタゴラ装置と小説って、似てるなぁって勝手に思っている。

ピタゴラ装置とストーリーの関係について特に考えるようになったのは「ビーだまビーすけ」シリーズを見てから。知らない人のために説明すると、ビーだまビーすけシリーズとは、超絶大人気のピタゴラスイッチのコーナーで、ビーだまの三兄弟(ビーた・ビーすけ・ビーごろう)がいて第一話(ビーだま・ビーすけの大冒険)では、ビーたとビーごろうが敵に捕らわれてそれをビーすけが助けに行くストーリー。第二話(ビーだま兄弟の大冒険)では、ビーすけが第一話の復讐?で敵の黒玉に捕らわれてそれをビーたとビーごろうが助けに行くストーリーになっている。見たこと無い人は何を言っているのかよくわからないと思うが、大規模のピタゴラ装置に物語の歌がつくことで本当にビーすけが冒険しているように見えるから面白い。ピタゴラ装置なんだからハラハラする必要は無いはずなのに、ビーすけが敵の陣地で黒だまに見つかって追われるところとか、三人(人?)で大ジャンプするところとか、ビーたとビーごろうが「怖いな」「大丈夫」って言い合いながら交互に進んでいるところとか、本当に手に汗を握るのである。今までの人生でビー玉に感情移入したことある?!すごいよ!ビーだまビーすけの大冒険を見ていると、プレゼンテーションって物語を伝える肝の一つだなって強く思う。本当に優れたプレゼンテーションは、受け取り手の中に物語の実体を残すのだ。Office風に言うなら、相手の書式に合わせてペースト。12月23日の朝にビーだまビーすけシリーズの特集をやるみたいなので、見てない人にはお勧めしたい。あと1月1日の大人のピタゴラスイッチも今からめちゃくちゃ楽しみにしている。むしろ一番楽しみな正月番組だ。

大昔の話になるけれど学生時代、ピタゴラスイッチを監修している佐藤雅彦氏の授業を受講していたことがある。第一回目の授業の冒頭、リスのすばやい動きにミッションインポシブルの音楽がぴったり合っている面白い動画が紹介されて、大講義室では至る所で笑い声が上がっていたのだけど、佐藤雅彦先生は「これを見てただ笑っていてはいけません。どうしてこれが面白いのか、考える側にならなければいけない」と言うことを仰っていた。私はけっこう素直で単純なところがあるので、多分それから何かを見たり読んだり聞いたりする度に、それに嵌れば嵌るほど、面白要素を分解して色々あれこれ考える癖が付いたように思う。 だから何だってわけじゃないんだけど、ピタゴラスイッチを見ながら、そんなことをいつも考えている。

 

最近の娘のことも少し。10月後半から歩ける歩数が増えてきて、11月に入ってからは、もうずっと歩き回っている。お外で靴デビューもして、公園で落ち葉をざくざく踏んだり、いっちょまえに木の棒を拾って振り回したり、どんぐりを食べようとして母に大慌てで止められたり、知らないお姉ちゃんのシャボン玉を追いかけてうっとうしがられたり、また別の知らないお姉ちゃんに「はいっ!はいっ!」と小石を渡そうとして困惑されたりしている(ありがとうって受け取ってくれた、やさしい女の子でした)。すべりだいで大喜びするので、夫が抱っこで上まで連れて行って、下で私がキャッチする方法ですべらせている。抱っこで乗るブランコも楽しそう。当然かもしれないけれど、歩けるようになってから外遊びのバリエーションがとても増えた。

保育園でも楽しそうにしている。連絡帳によると、園庭で年長さんが体操をしている列に勝手に混じって一緒に体操をしたり、何故か講師の先生側に立って一緒にお手本を見よう見まねでやってみせたりしているらしい。あとは、年中さんのおままごとに混じっておなべをゆすったりしているらしい。そんな光景、見たくて見たくて堪らない。春生まれのお友達はもう言葉が色々出ていて、娘の名前をたくさん呼んでくれていたりする。

11月の終わりごろRSウィルスに罹患した。RSは大人だと普通の風邪だけど、小さい子が罹ると気管支炎や肺炎を発症しやすいので注意が必要な激しい風邪である。ワクチンはない(※正確には毎月打つシナジスという注射があるが、これは早産で生まれた子や基礎疾患がある子にしか保険適用にならないので娘は使えない)。そしてRSは何度も罹る。去年、生後1ヶ月でかかりその時は一週間も入院もしたのだが(幸い悪化することはなかったが、付き添い入院だったので大変だった)、今回は2回目なので症状も軽く、熱も1日半で下がった。風邪で可哀想だからといつもは適当に作ってしまう離乳食も、ちょっと時間をかけて根菜を出汁でゆっくり煮込んだしらす入り味噌雑炊などを作ってみたところ、こども茶碗二杯もりもり食べた。元気だった。木曜日に発症して、金夜には熱は下がっていたが、土日は家でゆっくり過ごした。本人はぜんぜんゆっくりしたい気持ちなどなかったのだろう、遊びたい心をもてあましていた感じがある。積み木で遊んだり、絵本を読んだりたくさんしたけど、それで1日は持たない。冒頭に戻るけど、Eテレがあって本当によかった。

 

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クリスマスの準備は万端