october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

句具ネプリ vol.04 2021 冬

Twitterの本アカウント(@mizuirom)、ひっそり消そうと思ったけど、長年使っていたし不義理になるかなと思ってお知らせをしたら、いろんな人からリプやDMを頂いて嬉しいのとありがたいのと申し訳ないのと。アカウントを消すのは創作時間と勉強時間の捻出のためという理由で、むしろ根っからのツイ廃である自分を制する為なので(iPhoneのスクリーンタイムのレポートを見るたびに真顔になる)、そうは言っても私はそのまま普通にここにいるし、つらつら呟いていたようなことをブログに書いていくと思うので、引き続きどうぞよろしくお願いできたら嬉しい。なんかあったら星とかコメントとかもらえたらちょー嬉しい。十月のアカウント(@october_10tsuki)は、あまり呟かないけど、残しておくのでそちらもよろしく。

 

 

さて、時間が過ぎるのが早い!
大好きな句具さんのネプリ企画、冬号が出ました。

12月29日まで!
ボリューミーだし、素敵な句がいっぱい読めるよ!

 

今回、作りたかった句がどうしても納得できるような形にまとまらなくて、最後の最後まで粘ったけど、結局去年作った句を出した。ぐぐう。来年はもう少し俳句も、ちゃんと時間を作って取り組むぞ。

 

好きな句を十句選びました。

 

白鳥を呼ぶくちびるがはずかしい 舘野まひろ

後半が全部平仮名なところが、くすぐったいような愛おしさと、恥じらいを感じてとても好き。好きな人の隣にいるんだろうか、と物語が浮かぶし、妄想が捗る。

 

風花や爪噛むまへに手をつなぐ 箱森裕美

小さい子なのか、友達同士なのか、それとも恋人同士なのか。もじもじした様子と、それでもさっと手を繋ぐ感じが、やわらかくて、あたたかくて優しい。「まへに」がすごく好き。風花が舞っている景も綺麗。

 

コンビニにゆるキャラ襲来ちゃんちゃんこ あおい月影

コンビニにゆるキャラが来るのは、ありそうな光景なのにそれを襲来という言葉で表しているのと、ちゃんちゃんこの取り合わせがおかしくてにこにこしてしまった。ゆるキャラって陽気なキャラ(つまり陽キャ)の集大成みたいなイメージあるから襲来という言葉が正しいかも……と思って、さらにおもしろい。

 

邂逅の豊かに笑ふ焼鳥屋 迫久鯨

お店の中で、いろんな邂逅、あるいは再開を目にしつつじんわりと笑んでいる焼鳥屋のご主人の姿が浮かびました。この2年で機会を奪われた邂逅が、近い未来に色んなところで起きるといいな。

 

冬さうび性記されぬ主人公 ばんかおり

冬薔薇、が、冬さうび、なのがとても好きで、性記されぬ、というのも今っぽくてとても良くて。だけどなんとなく、ドラクエ4を思い出すのだった。

 

うちらしか勝たん二日のプリクラ機 田中木江

かわいい、つよい、つよいうちら。一日は家族や親戚と過ごさなきゃだけど、地元の二日に会うっていうリアリティ。可愛くて強くて無敵な感じ。

 

大根畑早逝なれば永き死後 生駒大祐

早逝でも、老衰でも、星の時間で見たら大きく変わらない、と。そんなことを考えていたりもしたのだけど「死後」として語られる時、それはほとんどの人にとって自分と同じ時代を生きた人に対してだから、みんな死んでしまえば、死後にもならない。ずるっと抜けた大根の穴を見ながらそんなことを思う。

 

ピアニカの「第九」は昇る冬北斗 渡辺かや

ピアニカというと小学生を思い出してしまう。どこか誇らしげな感じと、硬質ながら可愛い音色と冬の澄んだ夜空がとても良くあっていて気持ちが良い。

 

甘食の破れ放題冬木の芽 あさふろ

甘食大好き人間としては見逃せなかった。破れ放題、というのが最高に良い。破れ放題でボロボロでもそのもさもさを口に押し込むのが甘食の幸福感である。子供の頃を思い出す。牛乳がね、美味しいよね。

 

ホットレモネード夫だけ泣く映画 丹下京子

ホットレモネード、という季語がとても良くていい夫婦なんだろうなぁ、と和みます。

 

取りたい句が本当に多くて、素敵なネプリ企画。
句具さん、いつもありがとうございます。

 

寒林やマトリョーシカの一つ欠け 三倉十月

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句具さんの新作、24節気カレンダーもとっても素敵だったよ〜!来年が楽しみ!