october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

無人島のふたり-120日以上生きなくちゃ日記-/山本文緒

小説を書き終わって飲むビールが好き。と言うわけで、そのビールを飲んだ。
その翌日は出社日。会議を幾つかこなし、17時半には会社を出た。ちょっと勘違いをしていて、サザンテラスの紀伊國屋書店に行ってしまい、ニトリでしょんぼりする。その後、東口の紀伊國屋書店に向かい句集を数冊と木下龍也の新しい歌集、そして無人島のふたりを買う。原稿終わったご褒美もあるし、地元の本屋が潰れてしまったので、久々に本屋に行ってテンションが上がったのもある。本5冊はちょっと重かったが、せっかくなので伊勢丹にも行き、前から気になっていた鞄をいくつか試着した。仕事用の鞄がいるんだよな、と思いながらもどこのブランドも値上げ予定日が書いてあってううっ、と焦る気持ちに。でも試着したらちょっと違うかなというのが浮き彫りになったのでよかった。テンションが上がったのでジュエルドサッチェルも試着する。強くてかっこよくていつか欲しい。その後、無くなりそうなNUXEを買って帰路。たまに家族で行く地元の小さなイタリアンに行き、カウンターが空いてたので一人で白ワインを飲みながら句集と歌集を読んだ。夢みたいな贅沢な時間。……いや、別に調整すればいつでも可能ではあるんだけど、脱稿後だからこそ自分にそういう時間を許せるという意味で。(これは未就学児の母だから、という意味ではなくて、小説も書かないといけないし俳句も作らないといけないし一人飲みしてる場合じゃないでしょうと言う意味で)

 

さて、帰宅したら結社誌が届いていて、夏に出した結社賞の結果が載っていた。今回初挑戦だったので、とりあえず連句を組んで提出できただけで自分を褒めていたのだけど、思っていたよりは良い結果で、いくつかの句を感銘句に選んでいただけて嬉しかった。好きな人の句がたくさん読めてそれも嬉しかった。ゆるい歩みだけど、続けていきたい。

 

いくらなんでも診断から120日は短すぎる。その間に淡々と記された文章は山本さんの業であり命の形そのものなんだなと思った。切なくて、苦しくて、読ませてくださりありがとうございますと思った。もちろん事故だとか、病気でも0日の人もいるし、自分がそうなる可能性だって十分にある。明日のことはわからない。それにしても120日は……短い、よなぁ。そう思わずにはいられない。毎年人間ドッグを受けていたのに、ということもあまりにも辛い。亡くなった友人のことを思って色々思い出し、それも含めて悲しくなってしまった。山本さんが引いた中締めがなんとも切ない。最後は誰にでも平等に訪れる。それはわかってる。それでも。それでも。