october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

おいしいごはんが食べられますように/高瀬隼子

半年前にコロナに罹った時以来の発熱で倒れていた。39度まで上がったのでまあまあしんどかった。子が引いていた風邪がうつったぽいのだが、子よりずっと重いこのパターンは久々だ。おかげで週末の予定は全てキャンセルである。喉が痛くて本当に辛かったので、連絡を入れてから医者に行き、コロナインフル抗原検査を受け(どちらも陰性)、薬を貰って帰ってきた。仕事が割と切羽詰まってるのに二日も休んでしまったので、週末に少しやらないと😢

 

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ほっこり系の話かなと思ってスルーしてたんだけど、どうやらそうじゃないらしいというような広告を見たので、寝るにも飽きた中で聞いてみた。そこはかとなく気持ちが悪い話で、それが良かった。二谷の「食」に対する感性は、けっこう面白かった。そして絶対に自分が幸せになる選択をできない、無意識に無自覚に安牌を取りながら生きているのは、(無自覚な)社会的強者だからでもあるなーと。二谷は求められる役割に対して疑問も持たずに良い子すぎるという意味で、芦川さんとそうも変わらないのかもしれない。ケーキ握りつぶすところだけに、己が出ているけどそれにも気付いていない。

芦川さんほどに自我が見えない人は身近にいないのでリアリティがないのだが、その自我の見えなさはまあまあ気持ち悪い(けど嫌いではない)。自分が敏感であることに敏感で、それ以外のことに鈍感なタイプ。小説としてはわりと面白く読んだけど、身近にいて友達になれるかと言われるとそうでも無いかなと思う。(同僚だったらそつなく対応すると思うけど)まあ、何はともあれ押尾さんは正直こんなクソみたいな会社はとっとと辞めて、色々脱ぎ捨てて幸せになったらいいと思う。

なんとなく、天龍院亜希子の日記(安壇美緒)と似てるかもな、と思った。もちろんパクリと言いたいわけではなくて、同じような舞台で、同じような主題に触れているような感じ。