october notes

俳句と小説と読書と記録と記憶

世界の色んな国の本を読むという話

本を読むのは好きだけど、読書家だと胸を張れるほどには読んでいない。読書熱にもムラがあるので100冊以上読む年もあれば、10冊も読まない年もある。それに好きな作家の本ばかりを読んでしまうので、結構偏っているとも思う。だけど翻訳本を読むのは割りと好きな方だ。何となく、特に根拠もなく、そう思っていた。このTEDトークを見るまでは。

アン・モーガン: 世界中の国の本を1冊ずつ読んでいく私の1年

世界中の国の本を読んでみる試み。つまり読書の世界旅行だ。旅行は大好きだし、親の仕事で海外に住んでいたこともあるが、この視点はまったく無くて、なんて面白いんだろうと思った。同時に、翻訳本が割りと好き……と思っているくせに、結局はこの人と同じくほぼ英語圏と、あとはほとんど欧州の本しか読んでいないということに気付いた。

私が多分、読んだことがあるのは以下の国々出身の作家の本である。
日本京極夏彦山田詠美森見登美彦、安倍公房、宮木あや子が好き)、アメリ(ダンブラウン、スティーブンキング、学校の授業で読んだのはフィッツジェラルドテネシーウィリアムズ、あとはビジネス書自己啓発書をけっこう読んでる。そしてキャスリン・フリンの本が大好き)、カナダモンゴメリ)、英国(ハリポタ大好き!おちゃめなふたご、ジェーンオースティン。シェイクスピアは授業で)、フィンランドムーミン)、ドイツ(児童文学はケストナーとかエンデなど定番を……あとカフカの変身は授業で)、ロシアチェーホフを授業で)、フランス(サンテグジュベリ、あとはカミュの異邦人を授業で)、スウェーデン長くつ下のピッピ、ミレニアムシリーズ)、ノルウェーソフィーの世界)、ブラジルパウロ・コエーリョ)、中国封神演義……しかし途中で挫折したような……漫画は全部読んだ)

ふーむ。忘れてるだけかもしれないけど、ぱっと思いつくのはこれくらい。書き出してみてわかったけど、大人になってから読んだ本ってほとんど日本人の著者のもので、僅かな翻訳物もほぼ英語圏。そして幼少期や学生時代含めて、アジア人なのにアジアを全然読んでないじゃん!唯一読んだのはオタクこじらせて封神くらいだし、それも現代文学じゃないし古典だし(挫折してるし!)。あとは、大好きだった宮廷女官チャングム関連本を読んだ気がするけど、それで韓国の本を読んだとはさすがに言えないな。

で、そう思ってから本屋の翻訳本コーナーに行ってみたのだけど、やはりこちらもお世辞にも国籍色豊かとはいえない。あまり品揃えのない本屋だったせいもあるけど、そもそも翻訳の棚がとても小さくて、英語圏からの翻訳がほとんどで、それも新刊は片手の指ほどで後は往年の名作や古典だった。

何でかって考えてみると、まあ、理由は色々あるんだろうけど、英語以外の各言語から日本語に翻訳ができる人がどれだけいるのかというのも大きいのかもしれない。そもそも上記TEDトークのスピーカーの言語である英語と、日本語ではスタートの時点で用意される翻訳書の数が違う。そう。各言語から英語に翻訳される本と、日本語に翻訳される外国文学の数の差は想像しなくてもわかる。(日本語はそれでも世界十番目くらいに話者がいる言語だし恵まれている方だと思うけど、これからきっとどんどん減ってくるんだろう)

日本語に訳されている国の本は、想像よりはるかに少ないかもしれない。だったらせめて、手に届く範囲にある本は読んでみたい。それも、できれば現代の話を。そう思いながら本屋をウロウロしていたら「折りたたみ北京」を見つけた。あ、これツイッターでフォロワーさんがめっちゃ面白いって言ってたやつだ。買った。でもしばらく荷物が重い日が続いた為持ち歩けず、Kindle版で買った「三体」を先に読んでいる。とても面白い。

自粛ムードで外出もままならない昨今なので、せめて本では世界旅行がしたい。とりあえず、今は手に入る限り日本語で手に入るアジア作家を攻めるつもりだ。小説が好きだけど、もしあるならエッセイみたいなものも読みたい(あるのかな?)韓国、台湾、ベトナム、タイ、インドネシアラオス、フィリピン、カンボジア、ネパール、インド……どこまで手に入るかわからないけど、お勧めがあったら教えてください。古典より、最近の空気を感じられる21世紀に出た本が気になる。

読んだら #読書世界旅行 のタグでメモしていきます。